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ホームコラム開業したら、どの業務をホームページに載せるか

開業したら、どの業務をホームページに載せるか

 文:渡邉 徳人(行政書士)

行政書士が扱える書類は、数千種類あるとも言われます。開業したばかりの頃は「どの業務も受けられるように、全部載せておこう」と考えがちですが、ホームページでは、これがいちばん依頼につながりにくい作り方です。

依頼者は「何でもできる事務所」ではなく、「自分の手続きに詳しい事務所」を探しているからです。私自身、2005年に開業したときから、業務を絞ってホームページを作ってきました。その経験から、メイン業務を選ぶときの5つの視点をお伝えします。

視点1:経験や得意分野を活かせるか

前職の経験や、これまでの人生で身についた知識は、そのまま強みになります。

  • 建設会社や不動産会社にいた方は、建設業許可や宅建業免許
  • 自動車販売店にいた方は、車庫証明や自動車登録
  • 語学が得意な方は、在留資格や帰化の手続き

経験のある分野は、依頼者の事情を想像しやすく、ホームページの文章にも説得力が出ます。

視点2:その業務に需要があるか

経験だけで選ぶと、そもそも依頼が少ない業務を選んでしまうことがあります。次のような方法で、需要を確かめておきましょう。

  • 地域の役所が公表している、許可の件数や申請の件数を調べる
  • 業務名と地域名で検索したときに、広告や専門サイトが多く出ているか見る(多いということは、需要があるということでもあります)
  • 継続して依頼が見込めるか(更新や変更の手続きがある業務は、一度の依頼で終わりません)

視点3:地域の中で完結する業務か、全国から受けられる業務か

業務によって、ホームページの作り方は大きく変わります。

  • 地域の中で完結しやすい業務:建設業許可、産業廃棄物収集運搬業許可、車庫証明など。地域名を前面に出し、その地域の依頼者に向けて書きます。
  • 全国から依頼を受けやすい業務:書類の作成が中心で、面談が必須でない業務など。地域より、専門性や分かりやすさで勝負します。

開業する地域で依頼が少ない業務でも、全国に向けて発信すれば成り立つ場合があります。逆に、地域に根ざした業務を全国向けに作っても、依頼にはつながりません。

視点4:競合はどのくらいいるか

人気のある業務には、長く地域で実績を積んできた事務所が必ずいます。業務名と地域名で検索して、次の点を見てみてください。

  • 上位に出てくる事務所のサイトは、内容が充実しているか
  • 料金表や、依頼者の疑問への答えが載っているか
  • 更新が止まっていないか

競合が多くても、どのサイトも古く、依頼者の疑問に答えていなければ、十分に入り込む余地があります。

視点5:ネットで依頼が来やすい業務か

業務によって、依頼者がインターネットで探すかどうかにも差があります。個人の依頼者が自分で調べる業務(相続、車庫証明、在留資格など)は、ホームページとの相性が良い傾向があります。一方、紹介や地域のつながりで依頼が決まりやすい業務もあります。

ネットで探されやすい業務をメインに据えると、開業直後でも、ホームページから依頼を得られる可能性が高まります。

「メイン業務」と「その他の業務」を分けて載せる

業務を絞るといっても、ほかの業務を断る必要はありません。おすすめは、次のように分けて載せる方法です。

  • メイン業務:独立したページ(または専門サイト)で、料金・流れ・よくある質問まで詳しく載せる
  • その他の業務:「こちらもご相談ください」として、一覧で簡潔に載せる

なお、登記のように行政書士が扱えない手続きを載せる場合は、「提携する司法書士が担当します」と明記し、誤解を招かないようにしましょう。

業務を決めたら、最初に作るページ

メイン業務が決まったら、公開の時点で次のページをそろえることを目標にしましょう。

  • 業務のページ:対象になる人、流れ、期間、必要な書類
  • 料金のページ:報酬と、それ以外にかかる費用
  • よくある質問:開業前でも、役所の手引きや研修で多かった疑問から作れます
  • 事務所案内:経歴、登録番号、顔写真、あいさつ文

開業したばかりで実績がないうちは、「なぜこの業務を選んだのか」「前職で何をしていたのか」を事務所案内に書いておくと、依頼者に人柄と専門性が伝わります。実績の数字を無理に作る必要はありません。根拠を示せない数字は、かえって信頼を損ねます。

業務を増やすタイミング

メイン業務で依頼が来るようになり、手順が身についてきたら、次の業務を加えるタイミングです。新しい業務は、メイン業務の依頼者が一緒に必要とする手続きから選ぶと、自然に広がっていきます。たとえば建設業許可なら、経営事項審査や、入札参加資格の申請へとつながっていきます。

開業の年は、ホームページの土台をつくる年

開業した年は、どの業務で依頼が来るのかを確かめる大切な時期です。最初から完璧を目指すより、メイン業務を1つか2つに絞って公開し、反応を見ながら育てていく方が、結果的に早く依頼につながります。

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