「ホームページはあるのに、問い合わせが来ない」。行政書士の先生から、いちばん多くいただくご相談です。
私自身、2005年に行政書士事務所を開業し、自分の事務所のホームページで集客を続けてきました。同じ悩みを抱えた時期もあります。その経験と、2009年から全国の事務所サイトを制作してきた中で分かったのは、依頼が来ない原因はほとんどの場合、次の3つのどこかで止まっているということです。
理由1:探している人に見つけてもらえていない
どれだけ良い内容でも、相談したい人の目に入らなければ依頼にはつながりません。まず確かめたいのは、依頼者が実際に入力する言葉で、自分のサイトが表示されているかです。
依頼者は最初から事務所名で検索するわけではありません。「建設業許可 熊本」「車庫証明 代行 ○○市」のように、業務名と地域名で探します。ところが、事務所サイトの題名が「○○行政書士事務所」だけになっていて、業務名も地域名も入っていないことがよくあります。
確認したいのは次の点です。
- ページの題名(検索結果に出る青い文字)に、業務名と地域名が入っているか
- 業務ごとに、その業務を説明するページが1枚ずつあるか
- Googleの「Search Console」で、どんな言葉で何回表示されているかを見ているか
ここで止まっている場合は、デザインを変えるより先に、題名と説明文、業務ページの作り方を見直すのが近道です。
理由2:見てもらえても、強みが伝わっていない
アクセスはあるのに問い合わせがない場合は、訪問した人が「この事務所に頼む理由」を見つけられずに帰っています。
行政書士の業務は、成果物(許可証や届出の控え)だけを見ると事務所ごとの差が見えにくい仕事です。だからこそ、ホームページでは次のことをはっきり書く必要があります。
- どんな人の、どんな手続きを得意としているか(「何でもできます」は、結局何を頼めるのか分からない)
- 費用の目安(「お見積り」だけでは、相談のハードルが上がります)
- 依頼したあとの流れ(何を準備すればよいか、どのくらいかかるか)
依頼者が知りたいのは「この先生は自分のケースを分かってくれそうか」です。業務の説明を法律の条文どおりに並べるより、依頼者がつまずきやすい点に先回りして答える方が、ずっと伝わります。
理由3:安心して相談できる材料がない
最後の壁は「相談しても大丈夫そうか」という不安です。顔の見えないインターネットでは、依頼者は想像以上に慎重になっています。
- 行政書士本人の顔写真や、経歴・登録番号が載っているか
- 事務所の所在地や連絡先がはっきりしているか
- 相談は無料か、どこまで無料かが書いてあるか
- 電話・メール・LINEなど、相談しやすい入口が用意されているか
- スマートフォンで読みやすいか(文字が小さすぎないか、表がはみ出していないか)
特に最後のスマートフォンでの見え方は、パソコンで作業していると気づきにくいところです。ご自身のスマートフォンで、依頼者になったつもりで一度読んでみてください。
3つは順番に直す
この3つは、どれか1つだけを頑張っても成果が出にくいのが難しいところです。上位に表示されても強みが伝わらなければ選ばれませんし、良い内容でも見つけてもらえなければ読まれません。
私がご相談を受けるときは、次の順番で確認しています。
- 見つけてもらえているか(Search Consoleの表示回数・検索された言葉)
- 読まれているか(どのページで離れているか)
- 相談の入口まで進めているか(問い合わせページ・電話・LINEへの導線)
止まっている場所が分かれば、直すべきところも絞れます。全部を一度に作り直す必要はありません。
よくある見落とし:トップページだけで勝負している
ご相談を受けるサイトで特に多いのが、トップページにすべての業務を並べ、業務ごとの詳しいページがないケースです。
検索エンジンは、ページ単位で「何について書かれたページか」を判断します。トップページに「建設業許可・車庫証明・相続・会社設立」と並べただけでは、どの言葉でも中途半端な評価しか受けられません。依頼者の側から見ても、知りたい業務の情報が数行しかなければ、比べる材料になりません。
業務ごとのページには、少なくとも次の内容をそろえましょう。
- その業務の対象になる人(「こんな方はご相談ください」)
- 費用の目安と、報酬に含まれる作業
- 依頼から完了までの流れと、おおよその期間
- 依頼者に用意していただくもの
- その業務でよくある質問
これだけで、1つの業務ページとして十分な分量になり、検索でも依頼者の比較でも戦えるページになります。メイン業務から順に、1ページずつ整えていくのがおすすめです。
まずは止まっている場所を知る
「どこで止まっているのか、自分では判断がつかない」という方は、行政書士アシストWEBの無料サイト診断をご利用ください。今のサイトのURLを送っていただければ、上の3つの観点で改善点をまとめてお返しします。リニューアルするかどうかは、その結果を見てから決めていただいて大丈夫です。